write by 奥村

安宅和人さんの著書「シン・ニホン」に、”未来を作る鍵となる人は、化学・工学・医学など個別領域の専門家より、夢を描き複数の領域を繋いで形にする人や、何でも自分でやる人より、どんな課題でもそれぞれ自分が頼れる凄い人を知っている人だ”と書かれてありました。私たちは建築の専門分野で仕事をしていますが、違う領域の人たちと繋がったり組んだりすることの必要性を感じています。特に地方は人口減少でよりマーケットが縮小し、ひとつの業種だけで経営が成り立たなくなっていきます。JALが農業事業に参入し、銀行がカフェをオ-プンするなど大手企業が本気で異業種に取り組む話題をよく聞くようになりました。パラレルワ-カ-が増え、その中で今まで本業が自分の生きる道だと信じていたけれど、やってみると意外に本業と同様に楽しいと気付く事もあると思います。そうすると複業の中から今までにないアイディアが浮かび、それが新たな事業へと発展します。

弊社若手スタッフが、自主的に6月限定でカフェをオ-プンしました。午前中は調理人や八百屋、午後からは建築の設計士と、一日の中で全く違う業種を行いました。しかもA面もB面もありません。両A面です。つまりどちらも本気でした。というのも、身を酷使して早朝6時に店を開けるという、周りにはない事を試みたのです。それにより、散歩している方が立ち寄り、早朝の地域コミュニティ-の場という新しい暮らしの価値ができました。

「副業」から「複業」へ。本気の仕事を複数もつ働き方はいわゆる働き方の改革としてあるのではないかと感じています。自分が主人公となり社会に貢献できる道を探せるのも、この働き方の魅力です。今までの殻を破らなければ新しいものは見えてこないし、見えないからと言って破らないと一生暗闇からは抜け出せん。こんな時代だからこそ、いろんな変革に挑戦できます。要はチャンスとしてとらえることができるかだと思っています。このような活動の中で新しい大垣を創っていけたら嬉しいです。