カテゴリー: ■カワムラ*コラム

住宅の性能

write by 河村

今、日本の住宅は本気で変わろうとしている。特に大手住宅設備メーカーは前のめりだ。

これまで何度も省エネルギー化をやろうとしては定着せずを繰り返してきた。

「国土交通省がやれないなら環境省にやらせます」 
行政改革担当大臣 河野太郎氏が有識者会議で発言され、それ以降一気に潮目が変わりました。

 

今年4月以降、300㎡未満の住宅についても省エネルギー性能の「説明」義務化、2025年までに「適合」の義務化がなされます。

当然私達の会社は、そもそもその「省エネ基準」は10年前からクリアしています。ですが、国の基準の「最低ライン」が底上げされたことで、私達ももう一つ上の基準をクリアする事を決めました。

今後弊社の新築住宅については、「HEAT 20 G2」を標準とします。 

新しい基準とはどんなレベルなのか体感する必要があります。ですから、LIXILが持っている実験施設へ行ってきました。

 

こちらでは、巨大な冷蔵倉庫に『昔の家』『今の家』『未来の家』の3軒の家を建ててありその違いを体感できる施設となっています。

外気温0℃の同じ条件、同じ間取りで3段階の仕様の家になっております。

 

『昔の家』

もう、めちゃくちゃ寒いです。床が冷たすぎてスリッパなしでは立っていられないです。

 

『今の家』

いられないほどではないですが、特に部屋の端っこや無暖房の部屋ではすごく温度差を感じて不快です。

ただ、冬ってこういうものだよね。って感じです。

 

『未来の家』

全く温度差を感じません。本当に寒さを感じません。特に温度差が全然ありませんでした。

 

体験する前は、今の基準でも十分あったかい家になっているような気がしていましたが、全く別次元でした。 考えを改めました。

次世代のための建築を勉強してすぐにご提供できるように致します!

企業訪問

write by 河村

私達の会社は代表の交代などもあり、今まさに変革期に突入しました。

私達の会社はどんな変化をしていくのか?

まだはっきりとは決まっていませんが、一つ言えることは、地域に必要とされる会社にならなければ存続する事が出来ないという事です。 

走りながら、考えながら、変化していく事になるでしょう。

 

ここ数カ月企業への訪問が続いています。
良い会社をこの目で見て、感じるためです。

今回のコラムではそのうちの幾つかをご紹介させていただきます。

 

 2021.7月10日  グリーンノートレーベル株式会社 様

 https://ba-gnl.jp/

富山県は射水市で、空き家や空き地を使い「場」と「空間」と「しかけ」をつくり、まちに「元気」をつくる会社様です。
私達がミドリバシを中心にまちに賑わいを創出する活動内容に、かなり近い内容だと感じています。
空き家を使い、射水市に11年で数十件のプロジェクトを実現させていらっしゃいます。
私達はミドリバシ周辺で3年活動してまだ2件ですから、相当スピードが速くまちの活性化に寄与していらっしゃいます。

私達は訪問し、代表である明石さんに、インタビューを通じて空き家活用のためのノウハウやシステムを教えていただきに行きました。

ところが、インタビューで明石さんから帰ってきた言葉は
「ノウハウはありませんよ。職人芸です。」との事でした。

「結局このまちに面白い人を一人づづ集めてまちを体験させて、彼らがやりたい事を実現させていくだけだよ。」と

中でも印象的だった話の一つが、外国人の方にバーを射水市で開業させたとの事。
その外国人の方はもちろん日本でバーをやったことなどありません。
全く実績が無いのです。

私達も開業のお手伝いをしたことがあるので、その大変さが良く分かります。

大きな障害の一つが開業の資金です。
銀行に全く実績の無い人は事業用に資金を借り入れする事が非常に困難です。
ましてや外国人。その人のために膨大な資料を一緒に作り、保証協会まで乗り込み演説したそうです。
結果、開業まで無事こぎつける事が出来たそうです。相当な労力でしょう。

「きっと難しいけれど、出来ない事なんて無い。誰でも必ず出来る。」
とおっしゃっていました。

究極的に前向きな思考で現状を打破する力を感じました。

 

帰りに、社長と会長と3人で

「我々はそこまで企業する人と向き合って伴走することが出来ているだろか?単に建築屋として関わっているのではないか?」

と沢山議論して帰ってきました。

まだまだ変化はこれからです。

感動体験

write by 河村

2015年から目標にしていた事がやっと実現しました。

ついに、ついに、揖斐川のサツキマスを釣ることができました!

 

岐阜県にはアマゴという魚がいます。
この魚は澄んだ美しい川に生息しています。

美しい川とは人間にとっての価値観ですが、魚類の生息環境としては実は厳しい部分もあります。
川がクリア=微生物が極端に少ない環境なのです。
その結果、常に栄養が無い状態で、生き物全てが「食べる」ことに必死です。
アマゴも例外ではありません。

ところが、生き物は常に平等ではありません。
生まれた個体によって大きさ、運動能力がまちまちなのです。

体が大きく、先に孵化した個体はライバル達より沢山の虫を取り、順調に大きくなります。
栄養が全然ない川で、体が小さく運動能力の低いアマゴのグループは、そのままでは生き残れません。

そして、小さく弱いアマゴ達は覚悟を決めて川を下り、海を目指します。
淡水魚は基本的に塩分濃度の濃い海ではそのままでは生きていけません。
自分の体を作り替える必要があるのです。 

自分の体を変え、もっと沢山の捕食者がいる海でなんとか生き残り、4月~5月の皐月の短い間に自分の生まれた川へ大きくなって帰ってくる。

これら降海型のアマゴを「皐月鱒」と呼びます。こんなにカッコいい魚が地元にいる事を川で釣りを始めてから知りました。

それまでは、遠くの海で強く大きな魚ばかり釣っていましたが、だんだんと地元の魚の事を知りたくなってきました。

調べれば調べるほどサツキマスは出会う事が難しい事が分かりました。
「幻の魚」と言われるほどです。
そして、釣れなければ釣れないほどに釣りたい思いが募ります。

釣れる期間も短い、個体も少ない、釣り方も良く分からない。
何処にいるかもわからない。

年間の遡上数ははっきりとは分かっていませんが、今年令和3年の岐阜中央卸売市場に入荷したサツキマスの数はわずか11匹です。
それぐらい数が少ないのです。

この広い長良川、揖斐川、木曽川で、遡上する数が年間わずか数十匹の魚を探す行為は、殆ど狂気の沙汰だと思います。

これまで本当に沢山の釣りをしましたが、こんなにも釣れない釣りは他にありませんでした。
何せ7年間、ただの一匹も釣れなかったのですから。
それでも続けた私のような人種を、人は釣りバカと呼ぶのでしょう。

 

その魚がかかった時は「お願い!釣らせて!」と声に出してました。
無事ネットに掬えた時には本当に手も足も震え、たった一人の早朝の揖斐川で叫んでいました。 

あまりに気が動転して帰ろうとした車にインロックしてしまい、どうする事も出来ず河川敷で何時間もロードサービスを待つことになりました。
(幸い携帯だけは持っていました)

さすがに数時間河川敷で待ちぼうけしたら頭も冷やせましたが、嬉しさがふつふつと込み上げてきました。 

それはそれは最高の時間でした。

ロードサービスで鍵を開けてくれたおじさんに、
「俺、今日ここで幻の魚を釣ったんです。」
と自慢してしまいました。

もう、人に言いたくて言いたくて言いたくて。
我慢できなかったみたいです。

きっと感動を共有したかったのでしょう。
おじさんはポカンとしてましたが。笑

私は趣味で、手足も、心も震えるほど感動する体験を知りました。

 

次は仕事でこんな感動する体験を味わってみたい。

「やったな!」と肩を叩いて心の底から叫んでみたいです。

そんな仕事を社員みんなと共有したいです。

釣れるまでやめなければ、釣れる。

きっと目標も叶うまで続ければ、叶う。 

そういうものなのかぁと感じました。

看板

write by 河村

私達の事務所は大垣市の中心部から少し南の県道沿いにあります。

それなりに車通りの多く見通しの良い場所ですが、分かりにくいといわれる事があります。

なぜなら、、「看板が無いから」です。

実は最近お客様の店舗の看板を計画することがあり、「看板設置後に問い合わせがあり効果がありました」とうれしいお知らせを頂きました!

その時にお客様とお話ししてたのは、「自分の会社の得意は何か?」という事でした。

振り返ってみると、自分達の会社は「何を売ってるかもわからない」「いくらで売っているかもわからない」 

看板の無いお寿司屋さんみたいなものです。

それはそれは入りにくいトコロなのでしょう。  

自分達は建築をしていて、設計もできます、お客様に来てほしいと思っていても全く伝わっていません。

事務所がこの場所に移転して10年が経ちましたが、いまだに「あの会社は何屋さんなんだろう?」と思われているかもしれません。

ですから、、

自分達の得意な事をでかでかと書いてみました! 遅すぎですよね。笑

改めて自分の得意は何かを考える時間は大切ですね!

新しい看板を見て人が来てくれると嬉しいですね!

グランピングレポート

write by 河村

近年のキャンプブームの勢いは本当にすごい。
特にコロナによる自粛以降、室内での遊びは極端に減り、釣りやキャンプ、アウトドアでの遊びの人口が極端に増えています。

岐阜県は特に、1家庭に1つずつバーベキューセットを持って近所の河川に出かける人は相当多い。
県内にも多くの河川があり、どこでも無料でバーベキュー場になってる状態です。

関東では相当な数のキャンプ場がオープンしているとの事。
私達の会社もそうした需要に対応すべく、グランピング施設の視察に、会長、社長、私のおじさん3人で星のや富士へ向かいました。

 

大垣から5時間。
部屋から見える富士山はとても美しく、この場所は他の人には真似できないなぁと思いました。

「美味しい料理」というくくりで売り出すサービスはすぐに真似されてしまうけど、「最高の富士山が見える場所」というのは立地的に実現可能な場所はほんの少しになる。

人に真似できないサービスの造り方にはこんな方法もあるのだと感じました。

 

総括

  • 限りなくホテルに近い(キャンプ、グランピングの要素は限りなく薄い)
  • 「グランピング」の本来の意味や期待されるサービスを明確化する必要を感じた
  • 一般のホテルには無い独自のサービス
    コタツ・バー・フォレストキッチン(森の中の食堂)・ヘッドライトの貸し出し・バッグの貸し出し・笠、ブーツの貸し出し・演奏会・双眼鏡の貸し出し・ハンモックの設備
  • 施設全体を通して かなり階段の上り下りが急 
  • 家族連れ(特に高齢者)は相当負担を感じるのでは?
  • 当日の客層30代~40代 子連れも含む

接点

write by 河村

年末に終わるはずだった物件が一つ終わりませんでした。

理由はタイルが決まらなかったから。

本来であればいけない事です。
お客様にこの日までに終わらせます、と契約しているのですから。

ところが、このお客様はとても喜んでいます。

「自分のわがままに最後までつきあってくるれる人で良かった」
「時間に妥協して決めなくてよかった」と。

こんな時、自分の価値や仕事の価値は、常に一定ではない事に難しさを感じます。

本来は自分の会社の価値(良さ)とお客様の期待される価値がピタリと一緒になるようにしなければなりません。

日々顧客のニーズは変わっていきます。

まだまだ自分の気づいていない会社の良さや売りを整理する必要を感じました。

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