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フードハブプロジェクト神山

write by 垣本

先日、徳島県は神山町「地方創生の先進地」に行ってきました。

3日間の滞在の中で、印象に残った取り組みを紹介します。

 

『フードハブプロジェクト神山』

 キーワードは「地産地食」

農作物のブランド化や6次産業化の支援ではなく、地域で食にまつわるサービスを生み出し、農作物を地域で食べることで経済を回していくというコンセプトだそう。

確かに考えてみると、地方で作った農作物を市場の大きい都市部で高値で販売する『農作物のブランド化(すごい大きくて甘いいちごがイメージしやすい)』って農作物のお金は地方に落ちるけど、その食材を使ったサービスは都市部で起こってしまう。従来の生産地(地方)と消費地(都市部)の関係は変わらない。

農作物を作る人のみが頑張る仕組みは、生産者への負担となる。加えて、生産者が都市部に向けた商売をしても、同じ地域内に住む人にとっては、その食材や生産者に対して愛着は湧かないし、応援したい気持ちも起こりにくいように思える。都市部からの評価がその地域の評価として考えるのはなんか寂しいし、時代錯誤に思える。

このフードハブプロジェクトでは、地域の農作物をふんだんに使った食堂「かま屋」やベーカリー兼食品店「かまパン&ストア」をオープンしたほか、神山に息づく食文化や郷土料理の再生、オーガニック農業の導入などに取り組んでいる。

生産者に加えてレストラン・加工業者・販売業者などの様々なサービスが地域内に生まれ、循環させることができる。そうすることで雇用が生まれるし、農業が元気になり、景観を維持していくことにもつながる。

地元で自分たちらしく生業を育み、生活を営む。

未来的だけど、自然なことだよなー。

大垣近郊でも農法にこだわった農家さんや素材にこだわった料理人さんたちと一緒にこんなプロジェクトを始められたらなぁ。

ミドリのいち開催

write by 垣本

6月26日(土)に『ミドリのいち』第1回目を開催いたしました。

弊社が運営しているレンタルスペース”ミドリバシ”にて、地元の起業者や起業希望者が出店するマルシェを開催したいと思い、企画をスタートさせました。

その中で、ぎふコーラの泉野さんと、方向性や運営方法を模索しながら共に進めていきました。

企画会議を重ねる中で、泉野さんが「ぎふコーラとしてマルシェにいろいろ出店してるけど、毎回ゴミがたくさん出るんだよね。」と問題を提起してくれました。

確かに、楽しいマルシェはいろんな所にあるけど、”楽しい”というのは表面的なもので、裏で困ってる誰かがいるかもしれないと考えるようになりました。

 

ただ楽しいだけで終わらせるんじゃなく、まちのためになるような地域の恒例イベントにしたい。

また、続けていく中で、イベント自体を良い方向にアップデートして、地域の問題解決につながればいい。

 

そこで固まったコンセプト、『持続可能なマルシェ』を基に、様々な仕掛けを考えていきました。

野菜を展示するのもプラスチック袋じゃなく、新聞紙で包装したり、

マイボトルで出店者の商品を味わったり、使った食器を外の流しで洗って持って帰る。

そんな素敵な風景をつくる仕掛けを考えSNSで発信しました。

 

また、毎年弊社が運営に関わってきた子ども向けの建築職業体験イベント『キッズスタジオ』のミニ版も、将来の子どもたちの可能性を育むようなプログラムとして、ミドリのいちにて開催しました。

当日は、子連れのお客さんが多く、美味しいものを楽しみ、また2階のキッズスタジオにてモノづくりWSに参加し、中には開演から終演まで滞在する方も見えました。

そして、インスタをみてマイバッグ、マイタンブラー持ってきましたと嬉しそうに話しかけてくださった方。

考えていた、「楽しいだけじゃない、まちのためになるマルシェ」の第一歩が踏み出せたと思いました。

「ミドリのいち」に来場者、出店者、主催者が一緒になって共によりよいイベントに育てていけたらと思いながら、すでに7月以降の企画を考えております。

パワーアップし続けますので、これからのミドリのいちに乞うご期待です。

共感を買う。思いを買う。

write by 垣本

『お金を払い、物を得る』という消費行動。

単純な日常の行為であるが、その単純なやり取りを掘り下げてみるととても面白い。

ある日の日常の買い物、外出先で感じた出来事と共に、『単なる消費行動』から見える地域社会での可能性について話していきます。壮大…(笑)

   

僕は、必要以上のものを買わない、消費に対してミニマルなスタンスをとっています。

かといってワンルームに机ひとつで生活するようなミニマリストを目指しているわけではありません。

必要以上なもの、不要になるような物は買わない。だけど「是非欲しい!」と思ったものは買うことにしています。

そうして手にしたものは愛着を強く感じ、長くずっと気に入って使えるような気がします。

その「是非欲しい!」と感じるものって何だろうと考えてみると、単に「物が欲しい」のではないのだと気付きました。

   

~知り合いに教えてもらった料理屋さんに行ったときの話~

ビストロで創作料理をアラカルトでいただけるお店へ行った。

美味しそうなアラカルトを5つほど注文した。

お酒が好きなので、料理と一緒に注文しようとメニューをみる。

ワインが飲みたいと思ったが種類や特徴なんて正直分からない。

せっかくだし、料理に合わせて店主さんにお任せしてみた。

すると、出てくる料理ごとに店主さんが

「このワインはねぇ、この料理に最高に合うんですよ!」

と活き活きしている。

さらに楽しそうに『料理についての思い』や『食材の特徴』などを丁寧に説明してくれ、最高の時間を過ごすことができた。

なんだかホクホクした不思議な高揚感を得て店を出ながら、考えてみるとあることに気がついた。

"ああ、僕はただ美味しい料理とお酒を求めていただけではなく、美味しい料理とお酒の中にある店主さんの思いを感じる時間を求めていたんだ。"

   

また、別の日の

~コーヒー豆を買いに行ったときの話~

今までは自宅近くのロースターへコーヒー豆を買っていたのですが、少し別のところに行ってみようと知り合いに教えてもらったロースターへ行くことにした。

試飲をさせてもらいながら豆の特徴、店主の好みや僕の好みについて少しの間話した。

「最近は浅煎りに興味があってー。」

「それならこんな豆がありますよ。浅煎りだと豆自体の特徴が分かりやすくていろんな好みが見つかると思いますよ!」

「浅煎りの淹れ方でコツってあるんですか?」

「淹れ方の冊子あるんで入れておきますね!」

今まで買っていたお店の店主さんは、淡々と仕事をしていて話をする隙など与えてくれませんでした。

それもあって、これまでコーヒー豆について気になってたことやその店のこだわりを知れると「またここで買いたい!」と感じました。

   

この2つの体験は自分が何を価値として捉えて消費をするのか、という指標に気づくとともに、生活の豊かさについて教えてくれるきっかけとなった。

さらにはこうした価値観は地域社会を動かす大きな手掛かりだと確信した。

チェーン店や大衆受けする商品は、便利であったり一定の安心を保証してくれる存在として非常に助かるものではある。

だけれどもそうしたお店で溢れたまちになることを僕は求めていない。

さらには消費者である僕たちが、地域にあるお店に大衆受けするサービスを求めるのはとても危険である。

なぜなら、地域の独自性やユニークな人たちを創出するための機会を奪っているからである。

だがしかし、現実はこんな会話をよく耳にする。

「ここのお店ではコーヒー500円もするの?あそこのコンビニなら100円だよ!」

「あそこのランチはドリンク別料金だったよ。ここの店はドリンク付きでこの値段なのに。」

注文して自分でボタンを押して手に入れるコンビニコーヒーには、どこのコーヒー豆を使っていることや美味しさを第一には求めていない。

手軽に得られる『便利さ』を買っている。

また、お店側も他商品の購買への導入としてコーヒーを売っている。

一方で、コーヒーショップで買うコーヒーは『店主との会話から得る知識やこだわりについての思いへの共感』を買っていると自覚している。

ランチが少し高い店では、もしかしたらお客さんが過ごす空間や場所の設えに付加価値を見込み、料金に含んでいるかもしれない。

どちらかを比べて優劣をつけるわけではないし、別に高いから良いものである、安いから悪いんだということを伝えたいわけではない。

僕たちがお金を払っている理由や商品に対する価値を、いろんな角度から見る。

それができれば、商品の一歩先の『思い』や『共感』について考えるきっかけになるし、その考えは地域社会における『強いこだわりを持った店主の活躍』や『地場の産業への関心』、『地域問題への関心』へと進んでいくのではないかと強く思う。

弊社賑わい創造事業部が掲げるスローガン

『大垣を日本一面白いまちにする』

この目標に向けて、まず自分自身が地域にある価値ある資源や産業について発信、共感を得られるメディアになりたいなと思った。

ミドリバシからその後

write by 垣本

弊社の「賑わい創造事業部」はennoieミドリバシを運営している。

その目的は、「大垣を日本一楽しいまちにする。」こと。

なんとも抽象的な言葉ではあるが、詳しく説明すると、大垣のまちで新たに起業を目指す方の支援を行い大垣市(ミドリバシ界隈)で事業を営む人をつくっていく取り組みだ。

これから飲食店を始めたいけど、すぐ始められる勇気がない、場所もない、設備もない。そんな方がトライアルとしてチャレンジできる場所がennoie ミドリバシ。

イベントの企画運営、場所の提供、さらには新しく店を構えるための不動産、設計、施工をノンストップでサポートできる。

そしてその先には大垣にあるたくさんの空き家に新たなチャレンジをする方が入居し、まちとして新たな価値を生み出すことを目的としている。

 

昨年8月にこんな方に出会った。

昨年5月まで大垣市のカフェで働いていたのだが、いろいろあり店を畳むことになったそうだ。

「今までは、いろんな飲食店で働いていたけど、次は本当に自分のこだわった食材とスタイルでやっていきたい。その準備期間と料理の腕が鈍らないように、ミドリバシで僕ができることをやってみたいんです。」

それがミドリバシカフェの店主萩田さん。

そうした経緯で、ポップアップという形で9月から「ミドリバシカフェ」を運営することなった。

お店に並ぶ焼き菓子は萩田さんが一番こだわっていて、特にマフィンとスコーンは絶品。食べても身体に優しいをテーマに、国産材料にこだわって毎日焼き上げる。

だが、9月のオープン当初は、正直最初は一日3、4組くらいしか客がいなかった。

こんなに美味しい焼き菓子が食べられて美味しい飲み物もいただけるのに…と思いながら、ミドリバシとして萩田さんと一緒に集客方法を考えた。

ミドリバシカフェ専用のインスタグラムを作って毎日アップしよう。

チラシ作って配って、ぜひ一度カフェに来てもらおう。

そうすれば絶対に気に入ってくれるはず。

そんなこんなで、徐々にカフェに来る増えてきて、「常連さん」もできた。

 

そんな中、ミドリバシから徒歩一分の3階建てのビル「昭和ビル」のオーナーさんから、ビルの活用についてお話をいただいた。

そこでは新たにカフェをやりたい方を探しているとのことだった。

まさに、萩田さんがいる!!と思い、そのビルへの入居が決まった。

新店舗の設計を弊社が行った。

こんなお客さんに来てもらいたい。

素材にこだわった思いが伝わるような店の雰囲気にしてほしい。

と、萩田さんと一緒にこれからの店のことや思いを共有してプロジェクトは進んでいった。

 

そして、いよいよ4/26のオープンを控えている。

ミドリバシでのカフェ運営は4/10をもって終了となる。

少し寂しい気持ちではあるが、ここから巣立ちこれから一緒に街の風景をつくる仲間として関われることに感謝し、また全力でサポートを続けていきたい。

そしてこのまちで商売したい、なにか始めたい、と思う人で溢れる「日本一楽しいまち」の実現へとつなぎたい。

大垣市を日本一おもしろい街に

write by 奥村

4月26日、四季の広場北側の昭和ビル1階に、マフィン  スコ-ン専門店「BAKE A」がオープンする。

店主は現在ennoieミドリバシでミドリバシカフェを営業している萩田さん。
ミドリバシから初めての起業家が生まれる。

彼のつくる料理は、体への優しさを考え国産の自然食材を使用。
調理されたメニュ-はどれもおいしく、口コミのファンもだんだん増えてきている。
新店舗は弊社が設計。オーナ-は昭和技研㈱様。
四季の広場のなじみの風景でもある時計台のビルの1階である。
木と塗装を基調にしたオーガニックなデザインは、彼が提供する商品にもマッチした内装に仕上がっている。

弊社は3年前に「大垣市賑わい創造事業部」を立ち上げ、ennoieミドリバシを運営開始した。
目的は「大垣市を日本一おもしろい街にする。」こと。
ミドリバシをスタ-タ-向けレンタルルームとして運営をしてきた。
その第一人者として彼が踏み出す。
今後も全力で応援していきたい。


4/26日オープンです。

富山県朝日町の町おこし・・坂東秀昭氏

write by 桐山

3月13日に朝日町で活躍する坂東秀昭氏に会いに行った。
飾らない、素で話せる素晴らしい青年社長でした。

設計事務所として苦労して9年間下請け仕事を続け、柔道家で国体にも出場しているスポーツマン。
話す事や営業はとにかく下手だと、40歳から再度学び、どう生ききるのか?と自分の死に様を決めた人です。

人口11,000人の富山県では一番早く消滅する町と言われている地域だそうで、此処の空き家を利活用する事業(ボランティアで)を始めたそうです。
失敗したり騙されたり散々な目に合いながらも、自分の思いを作り上げていきました。
空き家は毎年30件増えて行き、当初600件あったとのこと。
今では空き家の増加は止まったが人口減少は続いています。
その中で移住者を呼び込み、町を巻き込み、地方創生を学び、15店を作り上げ成果を上げて、『地域に愛される良い会社を目指す』と話してくれました。


坂東氏の朴訥とした話し方についつい引き込まれていく。

『時間はかかるけど、わざと遠回りをして来た。』

お客様にとって幸せとは何か?


坂東を信じていただく事ができて今がある。

と。

個人事務所も、今は社員6人の会社に育ちました。
営業はしない(本人は出来ないと)けど、お客様が集まってくる会社です。まだまだやれる事は無限にあると、実感できた時間です。

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