write by 垣本

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除された6月。私は、地域社会のためにミドリバシで何かできないかと考え、模索していた。

週末のイベントを企画したり、どうしたらミドリバシを借りてもらえるかと考えたり。でも考える先には、「このご時世、人が集まる状況を作ってもなぁ…。」というネガティブな考えにたどり着いてしまう。

さあどうしようか。

ある日ミドリバシの掃除をしていると、散歩をしていたおばあちゃん達に声を掛けられた。

「ここって何屋なのかね?」

そこで私たちは尋ね返した。

「何屋さんだったら良いですかね?」

すると1人のおばあちゃんが

「散歩の休憩でお茶できるところがほしい。」

「ご飯食べるところもここら辺じゃないんやわ。」

事務所に戻り、社員同士で話していると突然、

「来週月曜から、早朝6時からのモーニングやろう!」

「ミドリバシの周辺の方に喜んでもらえる!あの場所をもっと地元に根差した場所にしよう!」

突発的ではあったが、改めてミドリバシという場所の使い方や方向性を再確認することができた。そして、『6月限定で現代設計カフェをやる』というチャレンジが始まった。

もちろんカフェ運営なんてしたこともないし、個人で物売りなんて初めての体験だった。

とりあえず、「自分達に何が出来る?」と問いかけを。

「俺料理好きだし、サンドイッチ作るわ。」

「僕コーヒー淹れるのに凝ってるので、ドリップコーヒー出せます。」

次第にメニューとサービスが決まり、急ピッチで準備を進めた。

そしてオープン当日。

期待と不安でフワフワしながら、仕込み・準備を終えて開店時間が近付くと、すでに外で2人のご夫婦が待っていた。まだ開店前だったが、すぐにご案内した。

するとその後続々とお客様が。なんと初日20名程のお客様に来ていただく事ができた。

お客様に改めてミドリバシがどんな場所になって欲しいかを尋ねてみると、皆さんそれぞれ求めていることが多様でとても参考になった。

「毎日空いてるカフェがほしい。」

「カレー食べ比べイベントをしてほしい。」

「ランチでここに来たいな。」

いろいろお聞きしていると「絶対にそれ実現させたい!」とワクワクが止まらなかった。

そんなこんなで無事一週目の営業が終わった。

二週目には「八百屋やってみない?」と地域の野菜の販売を始めた。

すると、散歩の寄り道にお母さんたちがたくさん来てくださるようになった。

「最寄りのスーパーが遠くて買い物が大変なんや。」

「この時間にやってくれるのありがたいわ。」

「こんな保存の仕方あかんよ。」

お困りごとや、感謝の声、野菜の保存方法なんかまでも教えてもらった。とても勉強になった(笑)

こうしていろんな方と話していると、どんな方がこのミドリバシ周辺に住んでいて、どんな生活を送っているか、ということがなんとなく分かるようになってきた。

やはりこの地域のために何かやるというのが、ミドリバシ自体を育てて行くために大事なことなんだと実感した。それと同時に、「次はこんなイベントしたら喜んでもらえるかな。」というアイディアがどんどん湧いてくるようになった。

6月30日。カフェ最終日。

常連さんにたくさん来店していただき、温かい言葉と感謝の言葉を頂いた。

そして「もう終わっちゃうの?やっと慣れてきたところでしょ?」と続編を期待する声もたくさん頂いた。

そして遂に決定。

『7月13日(月)AM6:00~』

モーニングまた始めます!

今回は『カフェをやってみたいと意気込む女性』と『プロとしてカフェ運営経験のある男性』とが、ご縁あって繋がる事ができました。現代設計事務所もお手伝いしながら、更にたくさんの方に来ていただけるように、月曜日から木曜日の6:00から14:00まで空いているカフェ『ミドリバシ モーニングandカフェ』を始めます。引き続き野菜市もやりますので是非ともお越しくださいませ。

5月末には全く考えもつかなかった状況を、たくさんの方たちのおかげで創る事ができました。これからもミドリバシ周辺に住む方にとって、面白くて必要とされる場所にしていきたいと思います。『わたしのまちにはミドリバシがある!』と誇れるような存在になれるよう、いろんなことをやって行こうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。